蔵人の一日の仕事内容を大公開!【日本酒造りの工程も説明していきます】

日本酒

こんにちは。さけまさ(@sakemasa24)です。

 

僕は酒蔵で4年間勤めていました。

酒蔵とは日本酒を作るところです。

でも日本酒を作ると言われても想像つかない人が多いと思います。

実際に周りの人に酒蔵にいると言うと「何をやっているの?」って聞かれることもありました。

 

今回はそんな気になる酒蔵で日本酒を作る1日の仕事内容を詳しく書いていきたいと思います。

あわせてたくさんある工程の説明もしたいと思います。

 

※ただし日本酒の造り方は地方や蔵によってやり方がいろいろあるので、たくさんある中の一つという感じで見てください。

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蔵人の一日

酒蔵の仕事内容って夏場と冬場で仕事内容が全く違うのです。

 

夏場にはお酒の仕込みをする準備。

冬場に実際にお酒を仕込んでいきます。

 

酒蔵ではお酒を仕込む冬場の方が忙しく、昔では蔵人が冬場だけ出稼ぎにきて、お酒を作っていました。

今回はそのお酒の仕込みをしているときの1日の仕事内容を書いていきたいと思います。

 

1.切り返し

朝来て1番にする作業はこの切り返しという作業。毎朝7時半から行っていました。

 

酒蔵の朝ってもっと早いイメージもある人もいるかと思うんですけど、蔵によっても違うし、昔と今とで全然やり方が変化してきてます。それこそ、昔は5時半から行ってたそう。

 

この切り返しは前日に引き込みをした麹を手でほぐす作業。

 

1粒1粒バラバラにして菌が着く表面積を増やして、麹菌の付きをよくしていきます。

 

2.投げ込み

投げ込みとは前日に洗米したお米を甑(こしき)という木で作られた蒸し器に入れる作業です。

 

お米が蒸し上がるまで40分ほどかかるので、この間にも作業をしていきます。

 

3.米の計量

その日に洗米するお米を朝計量しておきます。

ここでは、縦に長い袋に10kgごとに計って入れていきます。

 

ここで正しく計量できていないと、お米が水を吸ったときの水分量などが正しく計算できないので、10㎏ピッタリで量ります。

 

4.仕込み水の投入

仕込みをする前に仕込み水を仕込みタンクの中に汲んでおきます。

 

仕込の温度が1℃や2℃違うだけで、発酵の度合いが全然変わってくるので繊細な作業になるんですよね。

なので、水の温度管理は慎重にやらないといけません。

 

5.枝打ち、酛卸し

日本酒の仕込みは酒母があり、添仲留と3回に分けて仕込みます。その添仲留と段々仕込の量をふやしていきます。

 

タンクも仕込みの量に合わせて変えていかないといけません。

 

添の仕込みがある場合だと、酛用のタンクから添用のタンクに移す酛卸しという作業。

仲の仕込みがある場合だと、添用のタンクから発酵させるタンクに移す枝打ちという作業があります。

 

6.検蒸

そしてお米が蒸しあがってきたころになりました。

 

検蒸とは、蒸したお米の出来を確認することです。作業的には蒸し上がったお米をスコップで掘り出していきます。

 

掘り出された米を「ひねり餅」と言って手で潰して、今日の蒸しは柔らかいなーとか硬いなーとか潰した感覚で確かめるのです。

 

7.引き込み

麹米用の米を掘り出し、お米を布の上に乗っけて、少し冷ましたあと、麹室(こうじむろ)と呼ばれる麹を作る部屋に入れます。

 

この麹室には、中に2つ部屋があり、ねかせ室と、製麹(せいきく)室に分かれています。

引き込んでねかせ室で一日、切り返して製麹室に移動して一日、そして出麹という流れになります。

 

麹を作る工程も蔵ごとにやり方が違うのですが、ここでは引き込みをしたお米は毛布に包み、昼まで寝かしておきます。

 

8.放冷

次に仕込み用の米を掘り出し、放冷機という中にファンがついてあり、風でお米を冷やす機械に通していきます。

この仕込み用のお米を掛米(かけまい)といいます。

 

9.仕込み、櫂入れ

放冷機で冷やされたお米と、前日に出麹をした麹を入れて仕込みをしていきます。

 

入れ終わると櫂入れ(かいいれ)という、もろみを撹拌する作業です。

櫂棒(かいぼう)と呼ばれる混ぜ棒で麹と掛米を均等になるように混ぜていきます。

これがなかなか体力を使う作業で、留の仕込みのときとか量が多くなれば、かなりきついんですよね。

 

ここでは、2日に一本のペースで仕込みをする半仕舞という仕込み方で行われています。2日に一回、留の仕込みがあるということですね。

 

10.布洗い

これで仕込みは一段落しました。

 

仕込みまでに使った布を洗う作業です。この布洗いも重要な作業の一つで、洗いがあまいと、お酒の酸が増えてきたりします。

 

11.出麹

前日から切り返しをして製麹室に入っていた麹を最高温度からの経過時間で外に出して行く作業。

このとき麹は菌糸が伸びて塊になっているので手でほぐします。

 

12.洗米

次の日に蒸す米を洗う作業。

午前中に10kgごと袋に入れておいたお米を水の中で動かしながら米同士をすり合わせるように洗っていきます。

 

動きが強すぎると、米が割れてしまったり、弱いと糠(ぬか)が残ってたりするので、力加減が重要になってきます。

他にも麹米や掛米、添仲留などの使う用途や、酒米の種類で浸漬時間が違ってくるんです。

秒単位の時間を浸けていくとても気の張る作業になります。

 

洗い終わると布の上に乗せ表面の水分を飛ばすために一晩置いておきます。

 

洗米を終えると大体昼ぐらいなのでここで昼休憩です。

 

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13.酒母冷却、酵母添加

さて、午後からも作業がたくさんあります。

 

酒母の仕込みがある日は午前中に酒母の仕込みを終わらせてから、高温糖化で大体5時間ぐらい糖化させます。

仕込んで高温になって5時間後、大体昼過ぎぐらいから酵母が育ちやすい温度(31〜33℃)くらいまで冷やして行きます。

 

冷却が終わると酵母添加をして酒母の仕込み完了です。

 

14.床もみ

次に、午前中に引き込んで寝かせておいたお米を、ねかせ室の中にある大きな台に広げて、手を入れていく床もみという作業があります。

 

麹室の中で温度をゆっくり落とすのと、米の中の水分を飛ばし水分量の調整をするために行います。

 

この作業中の麹室は室温も湿度も高くなってくるので、結構体力をつかいます。

 

15.仲仕事

そうしている内に、今日切り返しをして製麹室に入っている麹の温度がだんだんとが上がってくる頃です。(36℃くらい)

 

麹は温度が上がってくると一気に上がってしまうので、ここで仲仕事といって手を入れて麹の温度を下げて麹に落ち着いてもらいます。

 

16.種付

さて再び床もみに戻ります。

 

床もみで手触りが軽くなり、水分も飛び、温度も下がってきたら種付といって種麹を振りまく作業です。

種麹をまくときは、空気の流れが少しでもあるとそちらに飛んで行ってしまうので、なるべく空気が動かないように慎重にゆっくりします。

 

種付が終わると次の日まで温度が下がらないように一箇所に集めて、毛布を被せておきます。

 

17.仕舞仕事

仲仕事をしてからもまだ麹の元気がいいので仕舞仕事というもう一回、手を入れる作業をします。(38℃くらい)

 

これで一日の作業がだいたいひと段落しました。

 

ここで晩御飯です。仕込みの間は蔵に泊っているので蔵でご飯を食べます。

 

18.麹番付き 最高温度まで

そして仕舞仕事が終えた麹は最高温度(42℃ぐらい)まで上がって、その温度を出麹までキープしてもらわないといけません。

 

放っておくと温度が上がってこなかったり、上がりすぎて暴走してしまったりするので温度が安定するまで見張りをしておきます。

温度の上がり遅いと2時3時まで見ておかないといけないこともあります。

 

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仕込中の一日が終了

これで一日が終わりました。

このように、夜遅くまで麹の面倒を見ているときがあるので、酒造りの間は基本蔵で寝泊まりするようになります。

 

酒造りはチームワーク。一人で全部の作業をするわけではないのですが、一応全体の流れを書いてみました。

 

※麹造りのとこは、工程的には順番がずれているので、少しわかりづらいかもしれないんですけど、流れを重視したためこのようになりました。

 

まとめ

どうでしょうか。

少しお酒造りのイメージがつきましたでしょうか。

 

見てもらったら分かるんですが、酒造りは感覚的な作業が多く、そこがやはり杜氏の腕ということになりますね。

 

冒頭にも書いたんですが、日本酒の造り方っていろいろあります。それによって味や香りが違うのも日本酒の楽しみの一つにもなりますね。

 

この記事で日本酒の興味をもってくれれば幸いです。

もし質問などあれば、答えれる範囲で答えますので、気軽にしてください。

 

以上です。

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